ヒューマン・エイド22ニュースレターコラム紹介②
先日、学校関係のお仕事で、むかし大手デパートの紳士服売場に勤めていた、イケメンでファッショナブルなО山さんにひさしぶりに会った。
「いやー、О山さん、いつ見ても若いね〜」
「いえ、ボクも40歳になりました。いつまでも若くないですよ。近ごろ、あまり物事に感動しなくなったんすよ、年を取るってなんか切ないですね」
あたくしも、教師の端くれだし、ものを書く仕事もしている。所謂“感情労働”をなりわいとしている。感性のアンテナが錆びついていては、よいパフォーマンスはできない。
感度の低いひとは、ハートを揺さぶる言葉を発することはできない。今のボクは肉体のおとろえ以上に、感性の劣化に危機感をおぼえる。
そんなこともあって、仕事を理由に自分をさぼるな、と決意を固めた。感動体験からみずから遠ざかってはいけない。どれだけ忙しくても、「コンサートに足を運ぼう!」「本屋に行こう!」「映画は最低でも毎月二本!」「美術館・博物館は月に一度!」「旅に出て美しい風景とおいしい料理を味わおう!」と。
妻にその決意を伝えたら、「なにそれ、結局、自分が好きなことを好きなだけやるってことじゃない?」とあきれられた。
ボクにとっては“感性の自主トレ”なのだが、妻からすると単なる“道楽”と見えるらしい。とほほ。 中島 純