横山 操展
先日、新津美術館で開催中の「日本画家 横山操展」を観てきました。恥ずかしながらアタシは、新潟県ゆかりの日本画家、横山操(みさお)の名を知りませんでした。
たまたま同じ日の朝にNHKのEテレで放映された「日曜美術館」の「雄々しき日本画~横山操、伝統への挑戦~」を自宅で観て、ず~んと心に響くものを感じ、衝動的に金津方面に車を走らせました。
さほど美術に造詣が深いわけではないけど、自分の中の日本画のイメージを崩されたことが、衝動の源になっています。日本画というと、花鳥風月の美しさを描いた床の間に置かれるような装飾的な美術というイメージがあったけど、横山操の絵には洋画のような肉厚さ重厚感と感情を叩きつけるような迫力を感じました。ひと言でいうなら「パッション」。
今回の展示では、戦前の10代の頃の作品や戦後の青龍展での出品作に加え、これまでの「横山操展」では公開されることの少なかった作品も紹介されています。
大胆な構図と、黒を基調に、時に差し色のように赤が配され、色のコントラストが絶妙です。ごつごつとした岩の塊のような生命力。作品の根底には、「20代の10年間を従軍とシベリア抑留で奪われた悲惨な体験が横たわっている」といわれます。壮絶な戦争体験は作品のモチーフではなく画風となって表現されています。53歳で亡くなりますが、後年、叙情的作風に変わってからの、弥彦や妙高の山を描いた作品が気に入りました。
新潟の景色を描いた、
「ふるさと」
「弥彦山」
「茜」
は個人的におすすめです。空気感までもが伝わるような描写に魅了されます。
新津美術館で、1月23日(土)から3月21日(日)まで観ることができます。後半一部作品が替わるそうなので、アタシはいま一度リピート鑑賞しようと思っています。